勇者34歳
「ぽこさんですか。」
レグナくんが振り返った。
「うん。」
それ以上会話が続かない。
沈黙が気まずいから
とりあえず何か話しかけることにした。
「レグナくんさ、どうしたらいいかわからなくて脱走するときは、人間が追い付けるところに逃げてほしいんだけど。」
レグナくんの表情が凍りつく。
まずいこと言ったかな?
でもここまで言って、止めるわけにもいかない。
「多分、イルルに悪気はないのもわかってて、でも怒ったから脱走したと思うんだよな。」
レグナくんの羽がばさっと開いた。
開きっぱなしなので
その羽の様子が
レグナくんの
どんな精神状態を表しているのかわからない。
「人間界でうまくやんなきゃいけないみたいじゃん?」
聞いてたことを暴露しちゃってるけど
いいや、言っちゃえ。
「答えがわからなかったら俺が追いかけて答えを一緒に考えるから、人間から逃げないでほしい。」
しばらくの沈黙の後。
「どうして。」
レグナくんが声を絞り出した。
絞り出した、という表現が適切な
そんな声だった。
「どうして、あなたは違う勇者なのに、彼女と同じことを言うんですか。」
レグナくんは泣きそうな声だけど
まだ、泣いていない。
どうやら俺は
先代の勇者と似たようなことを
言ってしまったらしい。
それが
レグナくんの地雷を踏んでしまった、のが
今の状況?
なんか、まずい、まずいぞ。
若い者を
いじめて泣かせた悪いオジサンみたいになってしまうではないか。
どうしたらこの場って
うまいこと収まるんだ…?
レグナくんが振り返った。
「うん。」
それ以上会話が続かない。
沈黙が気まずいから
とりあえず何か話しかけることにした。
「レグナくんさ、どうしたらいいかわからなくて脱走するときは、人間が追い付けるところに逃げてほしいんだけど。」
レグナくんの表情が凍りつく。
まずいこと言ったかな?
でもここまで言って、止めるわけにもいかない。
「多分、イルルに悪気はないのもわかってて、でも怒ったから脱走したと思うんだよな。」
レグナくんの羽がばさっと開いた。
開きっぱなしなので
その羽の様子が
レグナくんの
どんな精神状態を表しているのかわからない。
「人間界でうまくやんなきゃいけないみたいじゃん?」
聞いてたことを暴露しちゃってるけど
いいや、言っちゃえ。
「答えがわからなかったら俺が追いかけて答えを一緒に考えるから、人間から逃げないでほしい。」
しばらくの沈黙の後。
「どうして。」
レグナくんが声を絞り出した。
絞り出した、という表現が適切な
そんな声だった。
「どうして、あなたは違う勇者なのに、彼女と同じことを言うんですか。」
レグナくんは泣きそうな声だけど
まだ、泣いていない。
どうやら俺は
先代の勇者と似たようなことを
言ってしまったらしい。
それが
レグナくんの地雷を踏んでしまった、のが
今の状況?
なんか、まずい、まずいぞ。
若い者を
いじめて泣かせた悪いオジサンみたいになってしまうではないか。
どうしたらこの場って
うまいこと収まるんだ…?