勇者34歳
「決定打を、与えられそうなのは現状、レグナくんだけ?」

「そうかもしれませんが、傲慢の口を塞げないと無理です…。ナターシャさんは、攻撃魔法は使えますか?」

「んーーー、心得はないねぇ。」

こんなときでさえ、
ナターシャさんは冷静に
状況を分析している。

「所詮魔族だし、ぽこさんたちよりは体は脆弱。」

ラウザはそう言うが。

「そもそもコレに、近づけるの?」

俺たちの時間を奪ったのはコイツであり、
そんな魔法が可能な魔族は、
恐らく、魔法も達者だろう。

近づく前に消し炭になる可能性すらある。

しかし、余裕だからか?
いつでも消し炭にできるからか?
美女は、微笑みを崩さない。

「こんなに簡単に出てくるとは思わなかったから…。」

ラウザめ、後で絶対シメてやる。
後があればの話だけど!

リーヴェは、早速ぶつぶつと詠唱を始めている。

「拘束して、ラウザの刀で攻撃してくれ。」

俺は、傲慢のサキの意識から外れて
銃で攻撃するつもりだったが。
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