感想ノート
どうしたって救いなんてないのに、青年はそれを小宮に求めている。そうして、何もかも不正解の糸の端を握らせているのです。なんて生温い残酷さ。
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イトウ先生 2014/01/14 23:40
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蒼井深可様
素敵なレビュー、ありがとうございます。この物語に詩があるとすれば、どんぴしゃりでこれでしょうね。なんだか、ほう、と感嘆の溜息をついてしまいました。
曖昧なものに名前を付けるのって、とても難しいですよね。そして、その不安定な感情は人間みんなが持っているもの。そのもどかしさや切なさを描けるのが、創作の楽しさでもあります。
他人の手によって、そうして形にされる。まあでも、困ったことに、チーズも美味しいんですよねえ。イトウ先生 2014/01/14 23:37
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メガネ様
完読ありがとうございます。
メガネ様、分かっていらっしゃる。青年には父親しかおらず、なんというか、助けてほしいけれど、助けてほしくないのですよ。もし助けられたとしても、小宮にはどうすることもできない。だけど、どうにかしてほしい。そうして、どの答えを彼が選んでも青年は失望する。考える程、雁字搦め。ないのですよ、ないのです。この物語は生ぬるい。
まあ、父親を責めないであげてください。といえるのも、私の中では物語が長編だったりするからなのですが、あはは。
生温い牛乳が好きとな。お主、やりおる。イトウ先生 2013/08/25 22:20
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楪 小鳥様
完読とレビュー、ありがとうございます。
小学生の頃、夏の生温い牛乳が大嫌いであったことを思い出しながら書いた作品です。牛乳の味もよろしくなかったですしね。今の子供達は冷え冷えで美味しいものが飲めるのでしょうが。
そして、流石というべきか。その“怪しい”という感覚は間違えていませんよ。私の作品では、そういう曖昧な境界線を大切にしています。だって、感情に簡潔な名前をつけるのは難しいでしょう。まあ、私の作品では、恋愛感情がどんな形をして何処へ飛び火するか分かりませんから。想像していただけると嬉しいです。イトウ先生 2013/05/19 19:18
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高山様
読んでくださって、尚且つレビューまで、ありがとうございます。
確かに青春のようではないですね。彼等は“青春”というジャンルでは理想的ではない性格ですもの。私が登場人物に求めるのは、人間くささです。その汚くて、でも捨てきれない、曖昧な生温さを彼等に演じてもらいました。それでいて、人間の生臭さを感じないのは、夢の中であるようにと意識して書いているからかもしれませんが。
文学、と言っていただけて嬉しいですね。これからも精進していきたいと思います。イトウ先生 2013/04/16 20:27
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とても良いですね。なんと表現して良いのか分からないのだけど、良いです。
単純に、青春の一ページとは書けない何かが、ありますね。
僕が言うのもなんですが、文学ってそういう物だと思います。
ありがとうございました(^-^)高山 2013/04/16 16:20
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野田のたお様
読んでくださってありがとうございます。この作品は、そうですね、どうしようもなさを描いています。彼らがどうしようとも、立ち向かえない何かですよ。けれど、その大きな濁流の中で気休めの救いを、そう思ってもいます。気休めでもそれがあれば、私達は生きていけるのですから。
友情でも同情でもない。矢張り人間の感情は複雑なものですね。私は小宮の気持ちを文字にする術を持っていません。どこまでも書き手はもどかしいですよね、こういうとき。イトウ先生 2013/03/23 13:50
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宇喜田さな様
読んでくださってありがとうございます。この作品は他作品と違って余韻を残しましたので、前後を想像してくださると嬉しいです。いろいろな人の中で完結していくのかなあと思うと、なんですかね、こう、胸が熱くなりますというか。続く作品を作る楽しみは、こういう所にあると思います。イトウ先生 2013/03/23 13:29
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理不尽で、思い通りに事が運ばない現実という名の日常のヒトコマを切り出した、と申しましょうか。
頭の悪い僕はそういう解釈をしたのですが。
好きです、これ。
友情とはちょっと違うような、でも同情では決してない。
そんな感じが致します。野田 のたお 2013/03/23 09:58
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この作品の続きがずっと頭の中に拡がっていて、わたしの頭の中で勝手に繰り広げられている自分勝手な続きなんですけど、小宮くんはいいやつです。
宇喜田さな 2013/03/23 00:18
蒼井深可様
丁寧なコメントをいただいたのに、ああ、私としたことが。
遅ればせながら、明けましておめでとうございます。今年も貴方の作品を楽しみにしておりますよ。貴方に御多幸あらんことを。