♡祐雫の初恋♡
「優祐(ゆうすけ)、いえ、兄をご存知でございますの」
祐雫は、自分の知らない世界の奥深さを感じて、
優祐に後れをとった気になる。
「晩餐会で、幾度かお会いしました。
桜河電機の会長が必ず横に連れていらっしゃいますからね」
慶志朗は、桜河電機の会長である啓祐(けいすけ)が
孫の優祐を育んでいる微笑ましい様子を思い出した。
孫の祐雫を連れていることは皆無だったので、
慶志朗は、未知な祐雫に興味が湧いた。