♡祐雫の初恋♡
「はははっ、慶志朗らしいよ。
申し訳ないと思っているのかね。
申し訳ないと思っているのならば、
身勝手だと認めているというものだ」
慶之丞は、背中で威厳を表そうと努力していたが、
我慢ができなくなり、お腹を抱えて笑った。
もし、これが息子の竣太朗(しゅんたろう)だとしたら、
笑いごとではなかったが、孫ともなると、
大らかな気分で向き合うことができた。
「爺さま、それは……」
慶志朗は、慶之丞の笑いの裏に、
重い戒めの意味があるのではないかと
困惑して言葉を濁しながら、探りを入れる。