♡祐雫の初恋♡

「ぼくは、父上の意向通り、

 嵩愿グループを継ぐ決心をしております。

 それまでの間、しばらく風になって、

 吹き渡りたいと思っているだけなのです。

 爺さまには、必ず、理解していただけると信じて、

 ご相談に参りました」

 慶志朗は、正座をして、深々と頭を下げる。


「まぁ、慶志朗さん。

 爺さまをお味方に付けるおつもりでございますのね」


「はい、婆さま。
 
 爺さまだけではなく、婆さまもお味方になってください。

 御二方をお味方に付ければ怖いものなどありません」

 慶志朗は、力を籠めて、慶之丞と千子へ訴える。

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