♡祐雫の初恋♡

「竣太朗は、表に出てこない嬢のことを心配しておった。

 本当に心配性な奴じゃ。

 慶志朗は、まだ若い。

 女性経験は、数多く積むのだぞ」

  
 慶之丞は、慶志朗の漲る若さを羨望の眼差しで見る。


「まぁ、爺さま、

 慶志朗にそのような悪知恵をお付けになりませぬよう」


 千子は、慶之丞のかつての女性関係を振り返り、首を横に振る。


「それはさておき、慶志朗さん、

 お近付きってことは、これから進展がおありでございますの」


 気を取り直して、千子は、慶志朗と祐雫の仲に期待を籠める。


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