♡祐雫の初恋♡

「実は、お付き合いの解消をお願いいたしたく

 お呼びしました。

 誠に申し訳ないと思っています。


 しばらくは、結婚せずに

 世界を見て歩きたいと考えています」


 慶志朗は、手を付いて深々と頭を下げて謝った。


「慶志朗さま、

 どうぞお顔をおあげくださいませ。

 そのように神妙なお顔をなされますと、

 琳子は悲しゅうございます。


 琳子は、正直に申しますと、

 慶志朗さまの妻になりとうございました。


 それでも、麗華さまが許婚でございましたので、

 こころの準備はできてございました。


 慶志朗さまは、紳士的にお付き合いくださいましたし、

 琳子のことは、何もご心配なさらなくて

 よろしゅうございます。


 琳子は、お見合いをして、

 相応しい殿方の元へ嫁ぎます」


 琳子は、さばさばとした笑顔を見せて、慶志朗へ微笑む。

 今まで誠心誠意の心根で、

 慶志朗に接してきたので、悔いはなかった。


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