♡祐雫の初恋♡

「よろしければ、ドライブにお付き合いしていただけるかしら」

 麗華は、路上に停めた赤い車の扉を開けて、祐雫を手招きした。


「はい。華麗なお車でございますね。」

 祐雫は、怪訝(けげん)な表情で、

 麗華が開けた車の扉から、助手席に座る。


 麗華の車らしく車内は、薔薇模様のビロード製で、

 薔薇の香りに包まれていた。


 麗華は、運転席に座ると同時に無言のまま猛スピードで車を発進させた。



「麗華さま、何かございましたの」


 祐雫は、訳が分からずに麗華の横顔を窺(うかが)う。


 麗華の美しい横顔は、祐雫への嫉妬心で上気していたのだが、

 その紅色が麗華の色白の肌をなお美しく強調していた。


「ええ、いろいろと」

 麗華は、車のハンドルを握り締めた。




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