♡祐雫の初恋♡
「ええ、麗華さまの運転を信じてございますもの」
祐雫は、信頼しきった瞳で、麗華へ無邪気に微笑みかける。
麗華は、祐雫が怖がるのを期待していたのに、
反対に喜ばれて拍子抜けする。
「まぁ、わたくしと会うのは二度目でございましょう。
何故そのように信じられるの」
麗華は、祐雫の憧れの微笑みにも苛立ちを覚えた。
「あら、不思議でございますね。
確かに麗華さまのことは何も存じておりません。
でも、私は、はじめてお会いした時に
麗華さまが好きになりましたの。
ただ、それだけでございます」
相変わらず祐雫は、麗華を信じきって、無邪気な笑みを返す。
「わたくしを好きですって」
麗華は、驚きの声を上げた。
「失礼でございますが、
このようにお美しい麗華さまとお話させていただけて、
嬉しゅうございましたの。
最先端の女性って、感じでございましたもの」
祐雫は、憧れの眼差しを更に強く向ける。
「まぁ、あなたって、不思議な娘ね」
麗華は、並木道の傍らに急停車した。