♡祐雫の初恋♡

「それでは、この問題も同じように解いてごらん」

 優祐は、慌てて設問を指し示す。


 環は、照れた優祐に穏やかな笑みを浮かべて頷くと、

 問題に視線を落とす。


 優祐は、環のしなやかな指が、美しい文字を生み出す

 鉛筆の調べに聞き惚れていた。



 環は、優祐の視線を感じながら、こころがしあわせで満ち溢れる。

 祐雫のお屋敷へ遊びに行く度に、優祐を見かけては、恋焦がれていた。

 その優祐が、すぐ傍に居る。


(優祐ったら、環さんのペースに巻き込まれているわ)

 祐雫は、イライラしながら二人を見つめる。


「そう、それで正解だよ。すっかり理解できたね」

 優祐は、環の理解力に満足して、

 満面の笑みを環へ向けると、大きく頷いた。

 
 環の頬は、薄紅色に発色し、優祐の瞳を捉える。







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