♡祐雫の初恋♡

「嘘でございましょう。

 私には優祐の考えていることは、時折にしか分かりませんわ」

 祐雫は、驚いて、優祐を見上げる。


「だって、ぼくは祐雫の兄だもの。

 それに父上さまの跡を継いで、

 桜河の家や桜河電機を守っていかなければならないのだから、

 人の気持ちを理解できる人間になれるように

 これでも努力しているのだよ。


 桜河電機で働く人やその家族全員を

 守っていく使命を与えられているのだものね」


 頭ひとつ祐雫よりも身長が高くなった優祐は、

 威厳を持って祐雫を見下ろした。


 父の光祐に似で凛とした美しさを持ち合わせている祐雫は、

 優祐の学友の間でも、人気を博していたが、

 勉学に一生懸命で、世間の評判に疎かった。

  
 慶志朗に恋をしながらも、女性と仲良くする優祐を見ると、

 焼き餅を焼くところが可愛く思えた。






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