♡祐雫の初恋♡

 環は、優祐との至福の時間(とき)を

 祐雫に邪魔されたのを根に持って、

 祐雫が優祐と並んで、仲良く帰って行く姿を

 怒りに燃えた鋭い視線で見送る。


 環は、感じていた。


 男子には、興味がないにもかかわらず、

 勉学に勤しむ祐雫の男子を惹き寄せる不思議な魅力を……

 祐雫には、湖のように深く澄み渡る魅力があった。



 優祐と祐雫は、兄妹なので、嫉妬心を抱く自分が可笑しいのだか、

 優祐の優しさが、祐雫に注がれるのには耐えがたいものがあった。



「優祐さま、環にだけ微笑んでほしいのに」


 環は、情熱を籠めて、優祐の後ろ姿を見送った。




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