♡祐雫の初恋♡
横恋慕
慶志朗は、春以来、仕事の引き継ぎや残務処理に忙しく、
祐雫とゆっくり話をする時間さえ見つけられないでいた。
何度か晩餐会で一緒になったのだが、ひと言ふた言会話しただけで、
取引先や学友、幼馴染などの人波に呑まれてしまい、
親密な会話ができないまま、時間のみが過ぎていく慶志朗だった。
麗華や琳子との交際中は、無理をしてでも、
義務感で時間を作っていたが、
祐雫との交際は、こころを籠めて、慎重に進めたいと思っている。