♡祐雫の初恋♡
ある夜の晩餐会。
祐雫は、清楚な天色(あまいろ)のドレスで臨んでいた。
経済界の重鎮が勢揃いする今宵の晩餐会では、
慶志朗と話ができないことは分かっていても、
せめて祐雫の姿を一目でも見てほしい乙女心が籠められていた。
光祐は、仕事色の強い晩餐会へ祐雫を伴うことに難色を示したが、
優祐が助け船を出した。
光祐は、優祐と祐雫を伴い、挨拶をして回っていた。
光祐が、難色を示した通り、
祐雫にとっては、退屈な晩餐会に他ならなかった。
優祐と一緒に会釈を返しながら、
祐雫は、慶志朗の姿を見つけて、その場を離れる。