♡祐雫の初恋♡
「どうぞ、お座りになられて、
ごゆっくりなさってくださいませ。
今日のテラスは、風で涼やかでございましょう」
詩乃は、夏の木漏れ日に煌めく
白いワンピース姿の祐雫を眩しげに見つめた。
「ありがとうございます。いただきます」
祐雫は、椅子に腰かけて、手を合わせる。
詩乃は、その仕草に好印象を募らせた。
「詩乃さん、ありがとう。いただきます」
慶志朗は、祐雫を見習って、大袈裟に手を合わせると、
詩乃へ笑顔を向ける。
詩乃は、丁寧にお辞儀して、
(慶志朗さまのお邪魔はいたしません)
とばかりに目配せして、別荘の内へ下がった。