♡祐雫の初恋♡

「嵩愿さま、お気を付けていってらっしゃいませ。

 嵩愿さまのご活躍をお祈り申し上げてございます。

 そして、私がニューヨークを訪れることがございましたら、

 是非ご案内くださいませね」


 祐雫は、当分の間、逢えない慶志朗の顔を瞳に焼き付けるかの如く、

 真っ直ぐに慶志朗を見つめた。


 
 慶志朗の背後では、雨雲が去り、青空が広がっていた。




 雨上がりの涼風が祐雫の黒髪を靡かせて、慶志朗の腕に絡まる。



「祐雫さんは、虹のような方ですね。

 毎回、色々な色合いを放って、楽しませてくれます」


 慶志朗は、風を自由に吹き渡らせてくれる祐雫の返答を聞いて、

 心躍る気分に包まれ、更に祐雫を愛しく感じた。





 

 




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