♡祐雫の初恋♡

 一年前の夏、

 森の中から、妖精のごとく現れた祐雫は、慎ましくたおやかな乙女だった。

 慶志朗は、その神秘な可憐さに惹かれた。


 その後、百貨店で見かけた祐雫は、聡明で、はきはきとしていた。

 
 音楽会では、可憐な八重桜のドレスで、春爛漫の魅力をさり気なく主張した。


 引き寄せられるように逢いたくなり、


 桜池に案内してくれた祐雫は、初々しい素顔を垣間見せてくれた。

 
 
 逢う度に、新しい表情を見せてくれる祐雫に慶志朗は、驚かされる。



(きっと留学中の二年間で、更なる変化を見せてくれることだろう。

 祐雫さんのことだから、留学してくるかもしれない……)



 慶志朗は、真っ直ぐに見つめ返してくる祐雫を一層愛おしく誇りに感じる。




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