♡祐雫の初恋♡


 桜河のお屋敷の門の前で、祐雫は、涙を拭う。



 そして、桜の樹の下へと向かった。


(桜さん、慶志朗さまが旅立たれます。

 淋しい時には、祐雫を支えてくださいませ)


 祐雫は、桜の幹に両手を回して、抱きつく。


 祐雫は、慶志朗との初キスの場面を思い出して、

 しあわせの瞬間に浸っていた。



 桜の樹は、祐雫の淋しさを吸収して、自然の活力を祐雫へ贈る。



 祐雫は、少しずつ、少しずつ、

 淋しさが和らいでくるように感じていた。



(桜さん、ありがとうございます。 

 祐雫は、前を向いて進んで参ります)



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