♡祐雫の初恋♡

「このように大きな虹の橋は、

 生まれて初めてでございます」


 祐雫は、思わず歓びの声をあげる。



「この山峡にかかる虹の橋は、一八〇度回転して、

 ゆっくりと移動して行くのです」



 祐雫は、虹について熱く語る慶志朗を見上げ、

 慶志朗の瞳に映る七色の虹に、

 尚のこと惹き込まれていく。



「夕立の後は、

 時々ここから虹が見えることがあるので、

 もしやと思ったのですが、

 遠回りしてきた甲斐がありましたね」


 慶志朗の瞳は、七色の虹を配して、虹色に輝いていた。


 虹色の瞳の慶志朗に魅せられて、

 祐雫は、慶志朗の背中に、

 天使の羽が見えるような心地になる。





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