♡祐雫の初恋♡

 祐雫は、ばあやの紫乃が避暑地で着るようにと、

 丹精籠めて縫ったピンタックとフリル使いの白いワンピースを

 洋服箪笥から取り出して、溜息交じりに見つめる。



(森のお散歩でしたら、

 どなたの目にも触れることはございませんでしょう)



 祐雫は、独り言をつぶやいて、紫乃の厚意に応えようと、

 まだ一度も手を通していないワンピースを身に纏う。



 姿見に映ったワンピースは、祐雫の好みとは違い、

 気恥ずかしく感じられた。

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