♡祐雫の初恋♡
「詩乃さん、ただいま帰りました」
慶志朗は、テラスから居間へと入り、詩乃へ声をかける。
「坊ちゃま、お帰りなさいませ。
お部屋がとてもいい香りでございましたので、
風を通さずにそのままにしてございます。
どちらのお嬢さまでございますか。
坊ちゃまが別荘にお客さまをご招待されるなんて、
初めてでございますものね」
別荘に帰ると、詩乃がにこにこ笑顔で、
祐雫の事を聞きたくて仕方がないという表情で、
待ち侘びたように話しかけてきた。
慶志朗が祐雫を送って帰ってくるまでに、
長時間が経過していたので、興味津津の面持ちだった。