♡祐雫の初恋♡


 慶志朗は、窓辺の椅子に腰かけて、読みかけの本を開く。


「お屋敷に帰られて、

 再びお嬢さまにお会いする日が、

 楽しみでございますね」


 詩乃は、本を読み始めた慶志朗のお邪魔はしませんと、

 静かに頷いて部屋を出る。



 慶志朗は、祐雫が座っていたテラスの椅子に

 祐雫の残像を感じながら、

 満ち足りた気分で本の活字を追った。

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