♡祐雫の初恋♡
「里桜(りおう)さん、
お隣の優祐お兄さまのお部屋で、遊んでいらっしゃいませ。
祐雫お姉さまと大切なお話をいたしますから」
祐里は、祐雫を心配して付いてきた里桜の目線に合わせて、
腰を屈めて言葉をかける。
里桜は、祐雫とは、年の離れた桜河家の二女で、
桜の樹に守られて、すくすくと成長していた。
「はい、母上さま。
優兄ちゃまと遊んできます。
祐姉ちゃま、早く元気になってね」
里桜は、幼いながらも、祐雫の元気のなさが気になっていた。
少しでも、祐雫を元気付けようとして、
祐雫の手をぎゅっと握り締めて、にっこり笑うと
バイバイをして、部屋を出て行った。