♡祐雫の初恋♡
祐里は、愛らしい里桜のしぐさに瞳(め)を細めると、
祐雫の横へ腰掛けた。
「里桜さんも心配してございますのね。
祐雫さん、溜息ばかりお吐きになって、
もしや、恋をされたのではございませんか。
今までお勉強のことだけで、
頭の中がいっぱいでございましたのに、
そのようなお年頃になられたのでございますね」
祐里は、祐雫の髪を撫でる。
祐里は、心配しながらも、
祐雫の成長を快く感じていた。
「母上さま……」
祐雫は、頬を紅潮させて恋する瞳を祐里に向ける。
「母上さまは、このような気持ちになられたことが
おありでございますか」
祐雫は、真剣な表情を募らせる。