♡祐雫の初恋♡
九月中旬の日曜日。
優祐と祐雫は、祖父・啓祐の誕生日の贈りものを探しに
百貨店へ出かけた。
カシミヤの襟巻きを贈りものにすることに意見は一致したものの
襟巻きの色合いで、二人の意見は、相反していた。
優祐は、薔薇色の格子の襟巻きに手を伸ばすと、
祐雫は、すぐ横の空色の格子の襟巻きを取り上げた。
「優祐、
おじいさまは、空色がお似合いでございますわ」
祐雫は、自分の意見を通す性格だった。