♡祐雫の初恋♡
初恋ドレス
「祐雫。おじいさまへの贈りものは買ったよ。
次は、祐雫のドレスを受け取りに行くのでしょう」
遠い彼方から、優祐の声が聞えて、
祐雫は、ようやく我に返る。
祐雫の初恋を祐里から聞いた祖母・薫子(かおるこ)は、
祐雫が恋する年頃に成長したことを手放しで喜び、
祖父・啓祐には内緒で、アトリエにドレスを注文していた。
「祐雫さん、
おじいさまにお好きな方がいらっしゃることが知れますと、
卒倒なさるやも知れません。
おじいさまは、祐雫さんをいつまでも
お手元にお置きになられるつもりでございますのよ。
女性は恋をする毎に
綺麗になるものでございますのに」
祐雫をドレスの採寸へ連れ立った薫子は、
採寸の様子を目を細めて、見つめながら囁いたのだった。