♡祐雫の初恋♡
森の別荘
「こんにちは」
森が開けたところに別荘があり、テラスから声が聞こえた。
祐雫は、小路から外れて、別荘の敷地に入り込んでいたらしい。
神の森の思い出に浸っていたので、
神の声が聞こえてきたのかと驚いて、どきっとする。
「申し訳ない、
突然声をかけて驚かせてしまったようですね」
見上げた祐雫の瞳へ
白いシャツに空色のカーディガンを肩にかけた
青年の穏やかな笑顔が飛び込んできた。
一瞬、夏空が祐雫の瞳に飛び込んできたかのようだった。