♡祐雫の初恋♡

 アトリエの扉を開けると、店主が、優祐と祐雫を迎え入れた。


「ようこそ、いらっしゃいませ。桜河のお嬢さま。

 素敵なドレスの出来映えでございます。

 こちらでご試着なさってくださいませ。


 お坊ちゃまは、こちらの椅子にお掛けして、

 少々お待ちくださいませ。

 すぐにお茶をお持ちいたします」


 店主は、弟子にお茶の支度を促して、

 祐雫を鏡の試着室へ案内した。


 薫子が名付けた『初恋ドレス』は、淡紅色のシルクタフタに

 シルクシフォンが幾重にも重ねられた八重桜をイメージした

 華やぎのあるドレスだった。


 店主がドレスを翻すと、店内が桜爛漫に満ち溢れた。




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