♡祐雫の初恋♡
祐雫は、試着室の鏡の中に頬を染める乙女を見つける。
(祐雫とは違う祐雫……)
慶志朗と再会した喜びが、頬を薄紅色に染め、
鏡の中の祐雫を美しく輝かせていた。
「優祐、いかがでございますか」
試着室を出た祐雫は、椅子に腰掛けている優祐に微笑む。
「よく似合って素敵だよ、祐雫」
優祐は、祐雫の可憐さに息を呑む。
聡明な雰囲気を主張する如く寒色系好む祐雫が、
淡紅色のドレスを身に纏い、
別人のような淑やかさで佇んでいた。
優祐は、祐雫が少女から大人の女性へ変化しつつあることを感じた。
それは、ちょっぴり淋しくもあり、また嬉しくもあった。
優祐は、一途な祐雫の初恋に力を貸して、
応援しようという気持ちを固めた。