♡祐雫の初恋♡
「お嬢さま、とてもよくお似合いでございますわ。
着心地は、いかがでございますか」
アトリエの店主は、ドレスの裾を持ち上げて、
緩やかに手を離して、ふんわりとした生地感を確かめる。
アトリエの弟子たちは、ドレスが映える祐雫の美しさを絶賛した。
「着心地も風合いも、大層よろしゅうございます。
祐雫ではないようで……
恥ずかしゅうございます」
祐雫は、頬を薄紅色に染め、
うっとりと、大鏡に写る自身に見惚れる。
そして、ドレス姿の鏡に映る祐雫の横に、
慶志朗が佇んでいる姿を思い浮かべて、顔を赤らめていた。