♡祐雫の初恋♡
「優祐、許可しよう。
祐雫と一緒に音楽会を楽しんできなさい」
光祐は、成長した優祐にならば、祐雫を任せられる気になった。
「ありがとうございます。父上さま。
祐雫が大層喜ぶと思います」
優祐は、肩の荷が降りた気分でほっとする。
父の物分かりの良さに感謝しながら、
その分責任を負う気持ちの引き締まりを感じた。
「ところで、優祐には、好きな女性は、いるのかな」
光祐は、気になって問いかける。
優祐は、祐里に似て、心情を顔に出さない性格だった。
「ぼくですか。
ぼくは、おばあさまや母上さま、それに婆やと、
素晴らしい女性が周りに居過ぎて、
まだそのような気になれません」
優祐は、光祐の問いかけに、素直な気持ちで答えた。