♡祐雫の初恋♡
「こんにちは。
私こそ、別荘の敷地にまで入り込んでしまいまして、
申し訳ございません」
祐雫は、ぺこりとお辞儀をした。
誰にも会わないと思い込んでいたので、
突然の出会いにたじろいでいた。
「東野家の方ですか。
毎日、テニスコートから華やかな声が聞こえていますね。
香さんには、妹さんはいらっしゃらなかったはずですが」
慶志朗は、記憶の引き出しを顧みる。
久世香には、妹はいないはずだが、香にどことなく似ている・・・。