♡祐雫の初恋♡
恋模様
恋模様の桜池
放課後、友人たちとともに校門を出た所で、警笛の音がする。
祐雫は、路上駐車の車を仰ぎ見る。
「祐雫さん、送って行きましょう」
車の運転席の窓から、慶志朗の笑顔が覗いた。
「嵩愿さま、こんにちは」
祐雫は、再会に驚いてドキドキした。
「祐雫さま、それでは御機嫌よう」
友人たちは、顔を見合わせて
「どなたさまですの」
と、くすくすと笑い合って、足早に歩み去った。
慶志朗は、車から降りて助手席の扉を開ける。
「制服姿の祐雫さんは、きりりとしていますね。
会うたびに違う雰囲気を見せてくれて楽しいです」
長身の慶志朗は、攫みどころのない表情で、祐雫を見下ろす。