Shine*テニス部のあなたに恋をした

「だけど…、なに話したらいいかわかんないし…」

「そんなのなんでもいいじゃん。携帯もってますか、とかなんでも。持ってたらアド聞けばいいんだし、持ってなかったらそーですか、で終わるじゃん」

あたしがうじうじしていたのがいらついたのか、一気に言い終わるとあたしを強引に図書室から出した。

そしてタイミングよく、テル先輩が階段をあがってきた。

「ほら、いってらっしゃい。矢崎せんぱーい!!」

羅那がテル先輩の名前を大声で呼んだ。

何事だと思って、テル先輩と一緒にいた3年の男子たちは一斉にテル先輩を見た。

ら、羅那ぁぁあ!!!

あんな大勢の人がいるときに呼ばなくたっていいじゃない!!!

あたしは顔があつくなるのを感じながらも、テル先輩に歩み寄った。

3年の男子たちはテル先輩を茶化してから、階段をあがっていった。

だけど、階段の折り返し地点であたしとテル先輩を見ていた。

あぁぁぁ…。

だからあんまり話しかけたくなかったんだよぉ…。

< 28 / 65 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop