Shine*テニス部のあなたに恋をした
「だけど…、なに話したらいいかわかんないし…」
「そんなのなんでもいいじゃん。携帯もってますか、とかなんでも。持ってたらアド聞けばいいんだし、持ってなかったらそーですか、で終わるじゃん」
あたしがうじうじしていたのがいらついたのか、一気に言い終わるとあたしを強引に図書室から出した。
そしてタイミングよく、テル先輩が階段をあがってきた。
「ほら、いってらっしゃい。矢崎せんぱーい!!」
羅那がテル先輩の名前を大声で呼んだ。
何事だと思って、テル先輩と一緒にいた3年の男子たちは一斉にテル先輩を見た。
ら、羅那ぁぁあ!!!
あんな大勢の人がいるときに呼ばなくたっていいじゃない!!!
あたしは顔があつくなるのを感じながらも、テル先輩に歩み寄った。
3年の男子たちはテル先輩を茶化してから、階段をあがっていった。
だけど、階段の折り返し地点であたしとテル先輩を見ていた。
あぁぁぁ…。
だからあんまり話しかけたくなかったんだよぉ…。