Shine*テニス部のあなたに恋をした
「あ、あの…矢崎先輩って…、携帯もってますか?」
あたしはしどろもどろしながら、テル先輩の目を見れずにそうたずねた。
「うん。持ってるよ」
「あ、じゃあアド…教えてください…」
言った!!あたし言ったよ!!
「あー…、アド覚えてない」
「あ、そ…そうですか…」
「うん。もういっていい?」
「あ…はい…」
そういってテル先輩は階段をあがっていった。
見ていた3年の男子たちと楽しそうに、そして少し困った顔を見せながらいってしまった。
きっと、あたしのこと聞かれてたんだよね…。
そんなにあたしに話しかけられることが、
あたしとつきあってることが、
困ってるのかな…?
あたしは話せた喜びと、困らせている悲しみがまざった――。