Shine*テニス部のあなたに恋をした

あたしがそう思っていても、言わなきゃ届かない。

あたしの声は届かないから、輝先輩はまた困った顔をした。

ねぇ、困った顔をしないで。

あなたの困った顔はもう見たくなかったのに。

あたしは輝先輩の困った顔が見ていられなくて、顔をふいた。

あたしと眞希は輝先輩たちの前を通り過ぎた。

そのときに、後ろから、

「輝ちゃん!!」

って言う女子の声が聞こえてきた。

あたしはそっと後ろを振り返ると、輝先輩に駆け寄る女子がいた。

それは美緒先輩だった。

3年の男子はヒューヒューっていいながら輝先輩と美緒先輩を冷やかしていた。


もう、見たらだめ。

あたしは自分に言い聞かせたけど、止められなかった。

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