奏でる場所~SecretMelody~
はぁ…。


そう。最近、毎日のように一部の女子から“イジメ”を受けている。



理由は手紙から察して、あたしが“拓斗と付き合っている”から。



どうやら、女子達はあたしみたいなのが“超イケメン拓斗様”と付き合っているのが気にならいんだって。



はぁ…。ため息がとまんないよ…。



どーしよーかな…?



「宙ー?何やってるんだ?」



わわわッ!!奏にばれちゃうっ!



あたしは慌てて上履きをバックに詰め込み、靴下のまま奏の元に走る。



「あれ?宙、上履きは…?」



ギックーー!!!!!



「え?あ、いや…ちょっと忘れちゃってー…。あはっはははー…。」



「え?昨日、宙上履きなんて持って帰って無かった気がするんだけど…?」



やばい、やばい、やばい!!



「え、えー?嘘ー!!持って帰ったよ!?もーやだな、奏。物忘れ?」



「そうだったけなー?昨日の事も忘れるなんて、奏、異常だな!」



奏は、あははっと笑って歩きだした。



…危なかったー!!



よかった、ばれなくて。



心配、かけたくないから…ね。



もう、この問題は一人で抱え続けよう。



全部、一人で。
< 101 / 233 >

この作品をシェア

pagetop