奏でる場所~SecretMelody~
~奏side~


怪しい。



さっきの宙の様子、変だった。



言いたくないのかもしれないと思ったから、軽く流しといたけど…



気のせいだといいな。



でも、



何かあったのなら、相談、してくれたらいいのに…




――――――――――――――



「Hello♪everyone!Lets start!」



うー英語きらいだー…



だってさー、意味分からないんだもん!!



日本に居るんだから、英語必要ないじゃん?



それに、アメリカとかより、中国語とか、韓国語とかさー



ま、どれもやる気にはならないけど。



「Hey!Mr,Furuta!!P,10の、この、英語、文、訳してくだサイ!」


あー、出た。陽輝だー。



何しろ陽輝は天才だから、どの教科の授業でも一番難しい問題を当てられる。



でも、どんなに難しくても陽輝は…



「はい。“このグラフを見てください。このグラフから分かる事は、アメリカでは××ですが、日本や、他の国々では○○だと言う事です。そして…”です。」



ほら、この通り。



「おぉー!!ワンダフル!素晴らしいね☆」



「じゃ、次のページ…んー、Ms,Yoneharaやくしてくだサイ!」



ゲッ!!!



ちなみに奏は英語が大の苦手。



「え…えーと…私は…?あれ?bacauseってなんだったっけ?えー…ん?」



やばい。頭が真っ白だ。



「Ms,Yonehara!もっと勉強、頑張りなさいヨー?」



「すいません…。」



ううう。



「じゃあ、代わりにMs,Iwanami、訳して?」


お!!宙だ!



宙は英語が大得意。



常に、95点以上をキープしてるほど。



こんな、英文なんて、宙にはお茶いこさいさいなはず…。



「…。分かりません…。」



「え!?」



あ…。思わず声が…。



…嘘だろ?



宙が!?見ると、教科書を見つめて、うつむいている。



調子でも悪いのか?



今日の様子、おかしい。



どーしたんだ…?



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