奏でる場所~SecretMelody~
――プルプルプルッ


ん?ケータイ?



誰やろ?



俺は名前表示を見ずにパッと通話に切り替える。



「はい?」



「あ、陽輝か!どうや、体調わ。」



…低い声の大阪弁…



あ、本田先生か!



「今のところは大丈夫っすよ!」



「軽い発作も出てへんか?お前、一時的に退院したものの、病院に顔だせへんし…」



「出てない出てないー。だってせっかくの自由やねんからさ」



あ…でも、宙のお見舞いもそーいや行ってないや。



ちょっとぐらい顔出しにいこかな…



「先生ー?今暇やから顔出しに行くわ!予定大丈夫ですか?」



「おう!大丈夫や!!」



そんなこんなで、俺は俺の大嫌いな病院に行くこととなった。



――――――――



「ん。…大丈夫そうやな…。」



っていうわりには表情くらいけど…



先生は無料というサービスで簡単に検査した。



なんか、宮原さんいわく、心配でたまらんかったらしい。



ほんまいい先生や。



「ほんまに、発作とか起こったらすぐに病院にくるんやからな!」



「はーい!」



元気よく扉を開けたと同時にまた俺のケータイが震えだす。



…今日はにぎやかなケータイやな…



あ、でもメールや…



『Dearハルくん。
本田先生に今ハルくんが病院に居ること聞いたよ!
あたし、ハルくんに話したいことがあるんだけど…
今時間大丈夫?
From宙。』



話しって…



あの事やろーなぁーー…




『時間大丈夫やで。
今から向かいます』



そう、そっけない返事を送り、俺は宙の元へと足を進めた。
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