奏でる場所~SecretMelody~
――――――――


「 失礼しまーす 」



ガラガラとあけた扉の先には、俺と兄妹のように育った宙がこっちを向いて座っていた。



「 いらっしゃい、ハルくん。」



少しの沈黙が流れ、先にそれを破ったのは宙。



どうやら奏から聞いたらしい。今日、何が起こったのかを。



「奏をふったんだってね…」



「 あぁ。」



「 陽輝は後悔してない?」



しんけんなまなざし。



その瞳は悲しいような悔しいようなそんな姿が見られる。



そして、そこに映っている俺の目のはれた顔。



…ぶざまだな…



「 あぁ。」



「 本当に嘘をつくのが好きだね。



そんなことして楽しい?幸せ?



もしハルくんがそうだとして、奏はどうなの?



ちゃんと… ちゃんと受け入れなよ 奏の想い。



告られた瞬間、何かんがえた⁉



どうせ 全部 自分の気持ちでしょ⁉



奏は⁉︎ 奏の気持ちはどこ行ったのよ⁉



奏はハルくんの病気を分かったうえで、好きになったんじゃん⁉



ちゃんと向き合ってだした結果だよ⁉それを受け入れなくて、どーするの⁉



自分は⁉



自分の体と向き合えよ‼



ハルくんは逃げているだけ。



自分と向き合ってないだけだよ。



ずーっと その体なんだから 自分の体なんだから!



人とは 違うんだから!



ちゃんと 向き合わないといけないんだよ。



確かに 自分は自分。



自分のしたいように、生きたいようにしていいんだよ?



だけどね、自分を殺すな馬鹿‼! 」

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