奏でる場所~SecretMelody~
…宙…。



確かに俺は、本当の気持ちを殺し続けていた。



じゃあ、俺の本当の気持ちは?



俺の、やりたいことはなんだ?




“なにがあっても、奏といたい”



“奏を守り続けたい”



“奏を俺のものにしたい”



…そっか。



俺、こんなにも独占欲強かったんだな…



俺…



こんなにも…



奏が好きで好きでたまらなかったんだな…



気持ちを伝えたかったんだな…



「ハルくんって、そーいう所、昔から抜けてるよ…



人の事を心配し過ぎて、周りが見えていない。



一番近くの…



自分の思いが見れていないんだもん。



ほんと、馬鹿だよね。



でも、よかった。



ちゃんとあるじゃん、本当の自分。」




………本当の自分。



……本当の想い。



…本当の姿。




俺は、自分の体と向き合わなくてはいけない。




別に“絶対に生きれる”とも“絶対に死ぬ”とも決まってないこの曖昧な体と。



いつ潰れて、いつゲームオーバーになってしまうかわからないこの体と。



今まで、ちゃんと向き合っていた“つもり”だったんだ。



逃げていたんだ…



そうだ…



俺は自分自身から、ただ



逃げていただけなんだ…。



…向き合わなくちゃ…



今がそのチャンスや…



「ほら、ハルくんはどうしたいの?



自分とどう向き合うの?」



俺は…



奏の…



「奏の側でずっと一緒にいたい!!!!」











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