奏でる場所~SecretMelody~
~陽輝side~



奏…や…



ピアノ少女は…奏やったんや…



これで繋がった。



俺が2人を好きやった理由。



2人とも、“米原奏”やったんや。



今やったら、伝えれる。



俺のほんまの気持ちを。



「奏…」



そっと奏の手を握る。



「陽輝…?どーした?急に…」



「奏…、俺、どーしたらいいんやろ?」



「え?」



奏は俺のワガママを聞いてくれますか?



こんな俺に真っ正面からぶつかってくれますか?



俺を…許せますか?



「奏が大好きやねん。叫んでも、叫びきられへんくらいに、好きやねん。」



「陽輝…」




「…俺、弱い。



奏を守ることが出来ひんくなるかもしらん。



そばにおられへんくなるかもしらん。



そう思うと怖いんや。



すっごく、すっごく震える。」



前みたいな過ちはもう繰り返したくない。



けど、俺は何も変われてないんや。



体が弱い事も、怖がりな所も。



「でも、奏の側にいて、守りたい願望の方が遥かに強い。



俺と一緒に戦って欲しい。



こんなん、男の言うセリフちゃうな…。



けど、これが俺や。



“古田陽輝”や。



病気も弱さも全部含めての俺や。



こんな俺を認めてくれますか?



こんな俺を受け入れてくれますか?」

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