奏でる場所~SecretMelody~
~陽輝side~



…さっきの話…。



奏…大変やったんやな。



俺が…俺が守ってやりたい。



いつか…。



“奏”を自由のして、バイオリンを弾かせてやりたい。



けど…。



「ゲホッゲホ…。ゴホゴホ…ッ!!はぁ…はぁ…」



俺は…。



奏を守れるのか?



―――――コンコンッ!!



扉がノックされる。



??



誰や、こんな時間に――。



ガラッ!!



「…!!本田…先生…。」



「よぉ…陽輝…。まさか5日で戻ってくるとはな…。」



「ははっ…。情けないわ…。」



「いや、陽輝の体で5日持っただけでも…。」



え…?



どういう事や?




「先生…それ…」



「あ…。――――陽輝。落ち着いて聞いてくれ。



お前の体…。今までと比べようならんぐらい…悪化してる…。」



「そっか…。んじゃ、また長期入院やなッ!」



ちょっとおどけて言ってみるが、先生の顔は曇ったままだ。



「先…生?」



「陽輝…。提案があるんや。




今すぐにとは言わん。ケド…出来るだけはやく…



――――――――――――――――?」




「え…。」



やっと奏と付き合えて幸せないつもの日々。



突きつけられた現実は…



あまりにも残酷だった。――――――――
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