奏でる場所~SecretMelody~
「はーるきッ!!来たぞー♪」



次の日の夕方、いつにもましてご機嫌な奏でがやってきた。



きのう、全て話して肩の荷が下りたのだろう。



「あ…ああ、奏…!!」



俺は、そんな奏とは裏腹に、朝から考えこんでいた。



昨日の本田先生の提案が頭から…離れへん…。



「陽輝…?何かあった?」



奏が心配そうに首をかしげて尋ねてくる。



「えっ!!?い、いや、何も…ないよ?」



「そっか。なら、よかった。」



奏はニッコリと笑った。



あかん…。



まだ、奏には言われへん。



せっかく想いが通じあえたのに。



願いが叶ったのに。



また、奏を悲しませたくない。



「それよりさー!学校、どうやー?」



俺は思いっきり話を変える。



「うーんっとなー…。」



奏…俺はどうしたらいいと思う?



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