奏でる場所~SecretMelody~
そして、俺はまた、スマホをいじり、宙に電話をかけた。



『もしもし。ハルくん。奏の事振ったんだね。』



「あぁー…。」



『奏がテラスでボロボロになって泣いているよ。



初めてだったし。



余計辛いみたい。



あ、安心して?



あたしは別の場所にいるから。』



「そっか…。ごめんな、宙にも迷惑かけて。」



まじで宙がいなかったら俺はなにも出来てなかった。



「俺…、あしたには大阪…行くから……。」



「うん。大丈夫だよ?ハルくん。



あたしちゃんと分かっているから。



奏を想っているからこそって言うこともね。」



「ありがとう…宙。



それと…明日、俺が大阪に行くこと…出発してから奏の伝えてほしいねん。



もう1度あったら…きっと未練残るから…さ。」



『…分かった。そうするね。



じゃ、そろそろ…。



ちゃんとあたしとは連絡とってね。



大阪で元気になって、きっと…



戻ってくるんだよ?』



「あぁ…頑張る。じゃあな…。」



プーップーップーッ



月光のもと、俺は小さく丸まり声を殺して、涙した――――――――。






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