奏でる場所~SecretMelody~
俺は茂みに隠れながらゆっくりと近づく。





高い所にリボンで結ったストレートの長い黒髪が、





音が鳴るたびさらさらと動く。





女子や。





さっきからこいつが弾いているのは俺の知らん曲。





美しい音色。





頭の中を通りぬけるような、そんな感覚。





音楽なんて、ほとんどわからん俺でもすごく上手いことだけはわかる。





すると、





「誰かいる…?」





急に音が消え、ピアノを弾いていた凛とした姿の少女が振り向く。





俺はとっさにすぐ側にあった茂みに身を隠した。





うわ、危ね!ってか何で俺隠れたんや?





これやったら不審者やん!!





中からまたもや少女の声がする。




「…?気のせい?」
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