奏でる場所~SecretMelody~
無事朝礼も終わり、只今数学中。



俺の隣では奏がブツブツ言っている。



「奏?まだ言ってんのか?」



「だってさ…。“奏たん”は無いだろ…。“奏たん”って…(泣)」



「ま、ええやん!“ハルちん”も同レべだって!!」



「そーかぁ…?」



「そーやって!!」



言った瞬間数学教師が俺らを指差した。



「そこ!!うるさいッ!!そんなに俺の授業が退屈か!?



じゃあ、米原コレ解いてみろ!!」



「へ?陽輝じゃないの?奏!!?嘘だろ…えっと…」



奏はうーんと考え込んでいる。



あらら、かわいそーにww



ちなみに周りを見るとクラスメイト全員が考え込んでいた。



どうやら教師オリジナルの超難解問題らしい。



ところが…黒板に書いてある問題を見て俺はア然とした。



決して難しいからでは無い。



その逆、簡単すぎてだ。



…?なんで皆こんなんで悩んでるん?



「おーい米原~ッ!分かんないのか~?



じゃあ、隣の古田ー!!答えてみろ。」



教師は勝ち誇ったような顔で俺を差してくる。



ふ~ん…かなりの自信作やねん…なぁ~ww



たぶん、俺も分からん思って…ww



「はい、√893です。」



答えると、教室中がシーンと静まりかえり、教師は顔をしかめた。



あれ?俺、間違った?



「…せ、正解だ…。」



教師が悔しそうに呟くと、クラスメイト達が騒ぎ出した。



「すげー…。」



「古田 陽輝ってもしかして噂の天才少年!?」



「大阪から来た天才少年だよね…確か。」



…は?なんでやねん!



これくらい当たり前やろ…。



おまけに奏も



「陽輝って…天才?」



とか言ってるし。



東京人って、こんな大げさなん?
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