奏でる場所~SecretMelody~
――――――――――――


ハァ…ハァ…



やべ、すげー楽しかったんだけど…。



サッカーでこんな必死になった相手初めてだ。



今、心臓がドキドキしてる。



陽輝とペアを組みたいという気持ちで。



「ハァ…ッハァ…ッハァ…ッ――」



あんなに走ったもんな…こいつ。



かなり息切れしてる。



「なぁ、陽輝…なんでサッカー部に入んねーん―――って宙!?」



宙がすっごい勢いでコッチに向かって走ってきた。



…陽輝に向かって。



「ハルくん…!?大丈夫!?」



…なんの心配をしてるんだ?



陽輝は肩を揺らしてゼーゼーっと息を吐いていた。



「拓斗の馬鹿!!ハルくんを本気にさせないでよ!!」



宙が俺の事、“たっくん”じゃなくて“拓斗”…?



本気にさせちゃいけない?



「ハルくんはね…ハルくんは…走っちゃ駄目な体なの!!」



陽輝が走っては…いけない体?



「そ…ら…ヒュー…ゲホッ…俺…大丈…うッ!!」



その場に崩れる陽輝。



「ハルくん…!?しっかりして!!」



「…陽…輝?」



「どーしたんだ…陽輝!?」

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