奏でる場所~SecretMelody~
昔からそーやけど、この先生聴診器当ててる時間短いねんなー。



そんなけ上手いってことか?



「喘鳴聞こえてんなー…。」



やっぱりか。



発作は落ち着いてんけどなぁ…。



「宮原さん。点滴持ってきてー!解熱剤と喘息のやつ。」



え…!?まぢで?



点滴って言った?今。



「先生。点滴要らん。俺もーいけるって。」



そう言って椅子から立ち上がろうとしたとき



――ガシッ!



ギクッ!



先生に強く肩を掴まれ浮いていたお尻がまた椅子に戻った。



「ころ!陽輝!!逃げんなや。



ん?何やお前、高校生にもなって点滴怖いんか?笑



男のくせに。」



ギクギクギクッ!



「その顔は、もしかして…図星?」



「ち、ちゃうしッ!!」



「ふーんww じゃ、してもええよな?宮原さん、お願いします。」



…嫌やーぁ。



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